こんにちは!
自然素材・輸入壁紙を使った「住宅リフォームブログ」を運営している
東京都江東区のエーゼン大塚建設 代表の大塚健太郎です
あるとき自宅の天井から突然ポタポタと水が垂れてきたらどうします?
ビックリしますよね
オーツカも借家住まいだった頃、3階の子供部屋の天井から水が垂れてきたことがあります。
「パパ、雨が降ってきた!」
晴れの日に何を言ってるんだろうな?この子は…
上階は屋上で水栓がありませんから そもそも漏水はありえません
でも実際は天井ボードはびっしょり濡れて、ホント雨のように水が落ちてました。
この時の原因は天井裏の結露でした。
漏水トラブルって手品と一緒で、タネ(原因)が分かれば「そんな事か」って感じです。
でもね、原因を探すのって一番大変なんです。
もしあなたが仕事から帰って来てリビングの床が濡れていたらどうします?
慌てて雑巾を持ってきてバケツを探すことになるでしょうね。
そして管理人さんに伝えて上階の人に連絡してもらう…
こんな流れだと思います。
やがて出入りの業者さんが来て、漏水原因の調査が始まるのですが
あまり上手でない人だととにかく壊して調べるんですね
特に「水のトラブル〇〇」的な所だとそれが顕著です。
床壁天井が穴だらけになってしまいますがいいんです。
だって彼らの最大の目的は「漏水を直す」ことですから、ユーザーの要望にキッチリ答えています。
内装の復旧は2の次
優先順位が低いんですね。
「そりゃ丁寧に知らべれば、壁の壊しも少ないですけど時間かかりますよ」
なんて言われたら、反論できませんものね。
じゃあどうすれば、余計な支出をせずに水漏れをなおせるの?
業者さんならみんな知ってる常識ですが
1.下階(被害を受けている)の住人へのヒアリング
水漏れはいつから?
現在止まってますか?
一度止まって、また垂れて来たりしますか?
2.上階の給湯器の元栓を閉める
水漏れが垂れたり、止まったりするなら排水管系統が怪しいので水道元栓を止める必要はありません。
水漏れがずっと続くなら給水か給湯が怪しいです。まずは給湯器の元栓を閉めます。
水漏れが納まってくれば給湯配管のどこかに穴が開いていると推測できます。
それでもポタポタが止まらなければ、水道メーターの元栓を閉めて業者さんを待ちましょう。
ここまでは業者さんが到着するまでにあなた自身や管理人さんで出来る調査です。
是非やっておきたいですね。
3.漏水原因を絞りこむ(本ブログの最後に動画があります)
上記2の調査で漏水原因は「排水」「お湯」「給水」のどれかに絞り込めますので、場所を特定していきます。
下階の天井裏をのぞいて、濡れ跡をたどります(点検口やダウンライトから確認)
濡れ跡の直上の設備を調べます(床下のハッチや、洗濯機パンを一度外して床下を覗く。内視鏡を使う)
4.漏水原因を修理(本ブログの最後に動画があります)
原因さえわかれば修理は簡単、設備業者さんにお願いすればOK
でも職人さんがすぐには来てくれない場合ってありますよね
そんな時はご家庭にある「アレ」と「アレ」を使えばDIYでも応急処置が出来ます。後日改めて職人さんに修理してもらえば大丈夫。
以上の手順を踏めば、コストを抑えて漏水被害を復旧することが可能です。
実際はこの間に火災保険の申請(事故報告)があるのですが
その説明は長くなるので別のブログでご紹介します。
ところがそう上手くいかない事例もある
上記の1~3を丁寧にこなしても簡単には発見できない厄介な事例もあります。
専門業者からしても「えっ!まさかそんな事があるの?」っていう驚きの現場です。
それをちょっとだけご紹介します。
1.丈夫な継ぎ手が壊れていた事例
直管よりも肉厚でそもそも丈夫なはずの分岐継ぎ手が割れていました
オーツカが参入する前、2業者が調査していましたが発見には至らなかった事例です。
排水系統が怪しいのは分かっていたのですが
それがいったいどこから発生しているのかがなかなか見つかりません
まさか継ぎ手部で破損しているとは驚きです。
正確には継ぎ手ではなく、そこに差し込んでいるVPの直管が機械で切断したようにきれいに破断していました。
2.まるでミステリー。アリバイ崩しが必要だった事例
これも排水系統が原因であるのが分かっていたのですが、2~4階のどこが原因かが全く分かりませんでした。
2、3階住居に入って調査しても異常は発見できず
4階にいたっては大阪に出張中の住人さんで、週末しか帰ってきていません。
一方で1階への漏水は火曜・水曜が多い…これはもうミステリーです
いつものように内視鏡で各階を確認するのですが濡れ跡が見当たりません。
小さな穴からではもう無理なので、天井付近でブロック壁に10センチの穴を3ヶ所重ねて開けました。
そこから手を突っ込んでトミジ管(VP管を火災から保護する耐火材)を壊すと、内部に水漏れの後を発見できました。
トミジ管の外側は濡れていなかったので、破壊するまで漏水箇所の特定が出来ませんでした。
このミステリーの種明かしはこうです
4階の住人さんが週末を過ごします。そこで漏れた排水は配管を伝って下階につたうのですが、途中トミジ管に吸収されていきます。スポンジが水を含むようにです。やがて吸収しきれなくなったトミジ管から水が染み出てきます。これが火曜日に発生していたのです。
う~む、漏水は奥が深い…
3.結露水が瞬間移動した事例
マンションの漏水トラブルで上記の1~3の調査を丁寧に実施しても原因が分かりませんでした。
洗面脱衣室あたりが怪しそうなのですが点検口から内部を覗いても濡れ跡が見つかりません。
あとは考えられるのはエアコンのドレン排水(結露水)ですが、リフォームした再販売業者によると、壁内配管経由で洗濯機の排水につないでいるとの事でした。それなら問題はなさそうです。
念のため、その洗濯機の裏を確認すると
床下でつないでいると思ったのはオーツカの思い込みで
実際はエアコンのドレン配管は壁から飛び出て、洗濯機パンに放流されていました。
まあ、これ自体は問題ない配管方法ですが
ん?随分いろんなものが落ちているな…
そこでそ~っと洗濯機をどかして
ひとつずつ丁寧に歯磨きやタオルをどけていくと
ドレン排水の真下にハンガーが!
まるで流しそうめんの竹筒みたいに結露水をキャッチして左の壁に垂らしていました。
その証拠に、壁の隅には紙おむつが落ちていてパンパンに膨れていました。
廊下の向こうの部屋のエアコンから、結露水が瞬間移動したような珍しい事例でした。
このハンガーを取り除いて、漏水修理完了です!
下階も上階も全く壁を壊さずに調査&修理が出来ました。
ホント、漏水調査は奥が深いです。
そんな突然の漏水トラブルにあってしまった場合どうすればいいか?
原因調査編と応急処置編で動画をあげています。
こちらも合わせてご覧ください。
ここまでブログを書いておいて何なのですが
現在、エーゼン大塚建設では漏水トラブルの対応はしておりません
ホントごめんなさい。
リアルに水漏れでお困りの方は、このノウハウを利用して速やかに問題解決できることをお祈りしております。